アンティーク陶磁器のカップ&ソーサーは、暮らしの中で贅沢なひと時を彩ってくれるアイテムです。
しかしそれらは華奢で繊細、長い年月を経ていることもあってとてもデリケート。
想いが込められた大切な品だからこそ、取り扱うときは丁寧に、そして慎重に行いたいものです。
今回はアンティーク陶磁器のカップ&ソーサーを長持ちさせるお手入れの仕方と、保管方法をご紹介します。
アンティーク陶磁器の保管方法
アンティーク陶磁器のカップやソーサーを見える場所に保管し、ディスプレイとして楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
キャビネットなどに保管する場合は、まずキャビネット本体がしっかりと安定するよう、設置には充分注意してください。
そして埃を避けるために、できるだけガラスなどの扉があるキャビネットがおすすめです。
カップ&ソーサーの収納法
スペースを節約するために、カップ&ソーサーを積み重ねて収納するのはおすすめできません。
重ねるのは二つまで、そして左右の陶磁器が互いに触れ合わないような間隔で収納します。
陶磁器の下、また重ねた器の間に、サイズに合わせてカットしたフェルトや、セーム皮のパッドなどを敷いて、傷がつくのを防ぎましょう。
保管場所で避けた方が良いものは?
陶磁器のカップの後ろにスタンドを使ってソーサーを立てるのは、人気の高いディスプレイ法のひとつです。
このとき使うスタンドは、金属製のものだと腐食する可能性があり、またサイズが小さくきつ過ぎるものだと、ソーサーを傷つける恐れがあります。
サイズの合った木製やアクリル、プラスチック製のスタンドを使うようにしてください。
強い陽の光りやスポットライトなどの光源は、陶磁器の種類によっては色の変化を起こすことがあるので注意が必要です。
いつも美しい状態を保つために
アンティーク陶磁器のカップやソーサーをディスプレイのみで楽しむ、もしくは使用頻度が高くない場合は、定期的に埃を払ってあげましょう。
また、カップにフレッシュな花を活けたりする場合は、カップの内側に別の容器を入れ、そこへ水を入れてください。
保管場所からカップを取り出すときは、指紋の油分が汚れを残すことがあります。
清潔な乾いた手で取り扱い、ハンドルの部分ではなく、カップ本体を包み込むように支えてあげてください。
アンティーク陶磁器のカップ&ソーサーのお手入れ
お手入れをする前に、指輪やブレスレット、時計など陶磁器を傷つけたり引っかかってしまう可能性のあるものを外してください。
使用頻度が高くない場合は、お手入れの際は柔らかく清潔な乾いたペイントブラシで、カップやソーサーの装飾や飾りから埃を払い落します。
洗うときの注意事項
洗うときはシンクの中にプラスチック製の洗い桶を入れ、中にタオルを敷き詰めます。
桶がない場合は、シンクの底に直にタオルを敷いても大丈夫です。
洗っている途中にカップやソーサーが蛇口に当たって割ってしまう率はとても高いため、蛇口はシンクから遠ざけておきましょう。
水温は高温ではなく、手で触れてちょうど心地良い温度が適温となります。
洗剤やスポンジにも注意を払って
洗うものは柔らかな布、もしくはきめの細かいソフトなスポンジで。スポンジの粗い面で洗うのは避けてください。
石鹸や中性洗剤で優しく汚れを落としましょう。ベビーシャンプーもおすすめです。
後で洗おうと、アンティーク陶磁器のカップやソーサーを水に浸したままにしておかないように注意してくださいね。
洗ったあとは清潔な布巾でしっかり拭いて、しまう前に乾燥したかを確認してください。
電子レンジ、食器洗い機はNG!
アンティーク陶磁器の取り扱いで決してしてはいけないこと、それは電子レンジ、食器洗い機の使用です。
高温、高水圧は装飾に傷を与えたり、ひび割れ、破損などをもたらします。
たとえ購入時に、電子レンジや食器洗い機の使用可と言われたものであっても、避けた方が無難です。それがカップやソーサーを長持ちさせる秘訣となります。
家庭用漂白剤や研磨剤、そしてアンティーク陶磁器は柑橘系の酸性に弱いため、レモン系の洗剤も避けてください。
その他の注意事項
アンティーク陶磁器の中で、多孔質の素焼きの陶器の場合は水を吸収する性質があるため、水に浸さないように気をつけましょう。
素焼きの陶器は油分を含んだ指紋が消えにくい跡を残すこともあります。これらは石鹸水を浸した柔らかな布や脱脂綿などで、きれいにしてあげてください。
カップに付いた紅茶のタンニンは汚れが落としにくいと感じますが、柔らかな布で少しだけ力を入れてこすってください。ただし繊細なアンティークですから、圧力は掛け過ぎないように。
また、紅茶にレモンを入れる方は、使用後にできるだけ早く洗うように心がけてください。
お手入れの時間を喜びと感じて
ちょっぴりケアが大変だと感じるアンティーク陶磁器のカップやソーサーですが、それらが美しいのは以前の持ち主が大切に取り扱ってきたからに違いありません。
時代や国を超えてやって来たカップやソーサーは、長く人々と特別な時間を過ごしてきたアイテムです。
美しいカップやソーサーが、これからもそのままの姿でいられるように、愛情を込めてお手入れしてあげてくださいね。
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