アンティーク陶磁器の魅力 ~カップ&ソーサーの装飾~

アンティーク陶磁器のカップ&ソーサーの魅力は、そのエレガントで個性豊かな形状もさることながら、そこに描かれたきめ細やかな装飾も大きな役割を果たしています。

カップやソーサーのひとつひとつに施された繊細なデザインと色彩は、眺めるだけで心を豊かにしてくれるでしょう。

今回は世界中の人々を魅了する、アンティーク陶磁器のカップ&ソーサーの装飾を歴史とともにご紹介します。

東洋の模倣から始まって

カップやソーサーが広まった時代、茶器が輸入された東洋の影響を受け、カップやソーサーの装飾は中国の製品のデザインがそのまま模倣されていました。

その後もカップやソーサーの装飾は、当時人気であった中国風のデザイン、シノワズリが変わらぬ人気を誇ります。

中国だけでなく日本の柿右衛門スタイルも人気であり、これはのちに豪奢な装飾で彩る伊万里デザインのカップの誕生へと繋がることとなります。

青と白の装飾

18世紀のカップ&ソーサーに見られる青と白の装飾は、艶だしをする必要があった多孔質の軟質磁器に、艶をかける前にコバルトの金属酸化物を使用し、塗装または印刷したものとなります。

コバルトは高温に耐えることができる唯一の色であり、塗布すると黒くなり焼成後のみ青に変わるため、完成した色彩や濃淡がどのようになるのか知るために、職人は優れた技術や経験が必要でした。

のちの1720年に、マイセンのヨハン・ホロルトが16種類のエナメル塗料の開発に成功し、これは現在の磁器装飾の基本塗料となりました。

ハンドペイント

18世紀で上流階級の人々に人気があった手法がハンドペイントです。印刷では表現できないドラマティックな装飾で、色が濃い場所で手描きかどうかを識別することができます。

この時代には咲き誇る花やつぼみ、葉や小枝といった植物、そしてエキゾチックな鳥や動物などが人気のあるテーマとなりました。

18世紀後期になるとクオリティの高い風景画が人気を集め、一枚の水彩画のように非常に美しいカップ&ソーサーが登場しています。

転写印刷

1750年頃に導入され、カップ&ソーサーの装飾を大きく変えたのが転写印刷です。

初期の頃に焼成温度に耐えられるのはコバルトブルーだけでしたが、その後エナメルと呼ばれる着色顔料を利用して、他の色の装飾ができるようになったのです。

しかし釉薬は鉛含量が高く、18世紀から19世紀の陶芸家や陶器メーカーで働く人々は、頻繁に鉛中毒に陥ったと言われています。

紙に描かれたデザインを銅板にエッチングする初期の転写印刷は、のちにセラミック顔料でインク付けされるようになりました。

転写印刷はデザインをエッチングした銅板を洗浄し、コーティングされた顔料のみを残します。

そして石鹸で湿らせた特殊な紙を銅板の上に置いて印刷し、剥がしたものを陶磁器の表面に移し、デザインが配置されると紙は洗い流されました。

この銅板は何度も使用でき、きめ細かなデザインを施すと同時に、同じパターンのアイテムを大量にコストを抑えて生産できるようになったのです。

ゴールドの装飾

高級陶磁器として高い人気を誇っていたのが金の色彩を取り入れた装飾です。これは1740年頃から日本式の金箔を貼る方法が使用されました。

日本式の方法は、オイルベースの粘着性接着剤を用いて表面に金を付着させる方法よりも耐久性、光沢ともに優れていたそうです。

フランスでは1700年代初頭に粉にした金に蜂蜜を混ぜ、艶をかけた器の上にブラシで塗られる手法が生まれました。これは日本式よりもぼんやりとした色彩でしたが、耐久性に優れていました。

1785年頃に蜂蜜を取り入れた手法は、粉末状の金を加熱すると蒸発する水銀混合物を加え、金の膜を残して磨く方法に変わります。

1865年にミントンが取り入れた酸を使用した方法は、のちに殆どの陶器メーカーが使用することになりました。

フランスではカップ&ソーサーの縁やハンドルに金箔を施し、ハンドルの側面に金色の点線状の装飾で彩るのは、1800年頃に英国で始まりました。

バット印刷

18世紀後半から19世紀初頭にかけて、バット印刷と呼ばれる新たな転写印刷が誕生しました。

これは彫刻やパンチドットでデザインを描いた銅板に色が付けられ、バットと呼ばれるシートに印刷が施され、これを器の表面に押し付ける方法です。

風景画はバット印刷で特に人気のある主題となり、柔らかなタッチを持つ装飾でカップやソーサーを彩りました。

バット印刷の色彩は黒がメインとなりますが、他の色も使用されています。

美しく描かれた装飾に魅せられて

アンティークのカップ&ソーサーが作り上げる優美な世界は、その繊細な装飾があってこそと言えるかもしれません。

エレガントなデザインや豪奢な色彩で描かれたカップ&ソーサーは、見るだけでため息が出てしまうほど。

アンティークのカップ&ソーサーの中からお気に入りを見つけて、大切な宝物にしてみませんか?

ティータイムのときはもちろん、ディスプレイとしても優雅な空間を演出してくれるでしょう。

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